城  レビューと評価  城

はじめに

このレビューは、まだ三国志14をプレーしたことがない方のために、ゲームの概要と個人的な批評を紹介したものです。購入の参考になさる方は、人によって違った楽しみ方、違った評価があることを理解した上で、お読みください。既にプレーされた方は、お読みになる必要はございません。

レビュー

三国志14は、勢力の中の1つを選択し、全国統一を目指すゲームです。いわゆる勢力プレイです。武将プレイではありません。

三国志14は、1枚の全国マップ上で全勢力が同時に戦います。1つの勢力が出陣すると、その手薄になった城を攻める別勢力が現れ、連鎖的に戦争が発生します。命令するのはターンの最初だけで、命令を終了すると全勢力が同時に動き出します。

全国マップは六角形のマスで作られていて、行軍や内政をすることで、1マス単位で占領していきます。占領したマスは、内政では収入に直結し、軍略では兵站(補給路)になっています。これが三国志14の最大の特徴です。兵站が切れた部隊は混乱するので、例え呂布が向かって来ようとも、別動隊に回り込ませて兵站を切ってしまえば、武将や兵力で劣っていても勝てます。強い部隊1つで敵を殲滅できた過去作と違い、三国志14は複数部隊の効果的な采配が求められます。

この占領と兵站のアイデアは素晴らしいのですが、現状は問題もあります。敵は占領や兵站切りには迅速に対応するのに、中途半端な兵力で攻めて来たり、不利な地形で戦い続けたりします。また、敵はこちらの行動先を知っていますし、こちらも敵の行動先を見られます。三国志9のような先読みする面白さはありません。

戦闘バランスは、やはり今作も戦法や一騎討ちが強すぎます。拮抗した戦況だと、どちらの戦法が先に発動するかの運任せな展開になります。爵位が上がると任意のタイミングで戦法を発動できるようになるのですが、こうなると挟撃や兵站切りなどの戦略よりも戦法の方が主力になります。一騎討ちも同様で、いつ誰に一騎討ちが発生し、勝敗がどちらになり、結果がどうなるか、全て運任せです。今作は兵器のバランスもおかしく、衝車が使える勢力は難易度が下がり、兵器が使えない勢力は難易度が上がります。

繰り返しますが、占領と兵站のアイデアは素晴らしいです。AIと戦法と一騎討ちと兵器がおかしいだけです。もちろん、戦法や一騎討ちで戦況が一変するのも、三国志らしい展開と言えますので、これが好きという方もいらっしゃるでしょう。

内政は、各地域に内政担当官を任命するだけのシンプルな内容です。地域の数が非常に多いので、無駄な武将もいません。占領することも内政と言えますので、このくらいシンプルでも良いと思います。問題なのは、計略とのバランスです。地域懐柔という計略で敵の領土を奪えるのですが、敵に奪われる頻度が非常に高いので、奪って奪われての作業を繰り返させられます。探索や商人も収入源として優秀なのですが、これはこれで操作の繰り返しが面倒です。

人事にも問題があったのですが、これはアップデートで改善されました。現在も残っている問題は、相手が何かしらの行動をしただけで失敗になる登用と、太守を任命できないことです。

悪い点をいくつか書きましたが、良い点もまだまだあります。全国マップは、三国志演義の名場面を意識して作られています。北伐のルートや兵站の厳しさ、火計にかけたくなる夷陵の地形などを見たら、三国志ファンなら再現したくなるはずです。武将には欠点も設定されていて、これが人間らしさを生み出しています。今作は、無印版から遅いシナリオも含まれています。歴史イベントの条件は開示されていますし、発動させるかどうかもプレイヤーが選べます。

SteamやAmazonにもコメントや評価が載っていますが、圧倒的に悪かったのは発売直後くらいで、アップデートを繰り返す度に評価は上がってきています。

無印版の段階でこれだけの機能とシナリオが備わった作品は、近年の三国志シリーズにも信長の野望シリーズにもありません。動画などを見て面白そうだと感じたら、PK待ちする必要はありません。問題はお金だけです。

- おすすめ度 -
   三國志14 ★★★★☆
シーズンパス1 ★★☆☆☆