城  パワーアップキットの内容と評価  城

パワーアップキットとは

パワーアップキットの内容

パワーアップキットの批評と評価

パワーアップキットが酷評されるに至った経緯

三國志14と三國志14パワーアップキットの違い

三國志14に機能を追加するのが、三國志14パワーアップキットです。三國志14パワーアップキットの内容をプレイするには、三國志14も必要です。三國志14と三國志14パワーアップキットがセットになったのが、三國志14 with パワーアップキットです。パワーアップキットがない三國志のことを、一般的に無印版と呼びます。

無印版で配信されたダウンロードコンテンツ(DLC)は、三國志14 with パワーアップキットに入っていません。DLCが欲しい場合は、別途購入する必要があります。

プラットフォームによる違い

パソコンの性能が十分に高い場合は、Steam版が最も操作性が良いです。新武将作成やイベント編集の際の入力作業がしやすいですし、画像取り込み機能も付いています。

PS4版は、操作に慣れれば普通です。オートセーブが10個に増えました。PS5にも対応しているので、PS5なら処理が早いのかも知れません。ちなみに、管理人はPS4版です。

Switch版は、テレビでプレイする分には普通ですが、携帯機でプレイすると字が細かすぎるかも知れません。

パワーアップキット導入後に無印版をプレイする方法

Windows版の場合、Steamクライアントを開き、三國志14の[プロパティ] [DLC]で[三國志14パワーアップキット]のチェックを外せば、無印版に戻せます。このチェックを入れれば、再度パワーアップキットに戻すこともできます。無印版のセーブデータも解放した古武将なども、以前のまま残っています。

PS4版の場合、PS4メイン画面で三國志14を削除し、それから[ライブラリー]の[購入済み]から三國志14をダウンロードします。

Switch版は対応していません。

コーエーの公式ホームページでは言及されていませんが、PS4版の場合、作成した新武将や解放した古武将なども全て削除される可能性があるのではないでしょうか。私は怖くてできませんが、実際に試される方は、ぜひ結果を教えてください。

パワーアップキットの内容

地の利
州の過半数の都市を支配することで、地の利という特別な効果が発揮されます。地の利には、勢力全体強化、ユーラシア諸外国との交易、異民族との外交があります。
ユーラシア諸外国との交易
特定の州の地の利を得ることで、ユーラシア諸外国との交易が可能になります。交易のシステムは単純で、友好度を上げることで、名品、全体強化、陣形強化、戦法の書を獲得します。
異民族との外交
マップ周辺などに異民族の都市が追加されました。異民族都市と隣接する州を支配することで、異民族との外交が可能になります。異民族と友好を深めることで、異民族の武将や兵力を援助してもらえますが、異民族に大金を支払って攻撃要請を出すこともできます。
奔流
水地形に奔流が追加されます。ここを通過できるのは蒙衝と楼船だけです。走舸や輸船は奔流を避けて通るしかないので、兵站切りをしやすくなります。
建物
無印版では、平地にしか建物を建設できなかったのですが、パワーアップキットでは、山や水上に建設できる建物が追加されます。
建物破壊
計略の建物破壊で建物の耐久を下げることができます。耐久を0にすれば、破壊できます。
偽報
敵部隊を罠に誘導するのが偽報です。偽報の成功率には知力が影響します。偽報状態の部隊がいても、味方部隊を隣接させることで偽報状態を解消することができます。
罠の仕様変更
無印版の罠は、時間経過で耐久が低下したのですが、パワーアップキットでこの仕様はなくなりました。また、自勢力の土地にしか罠を設置できない仕様のため、敵の罠があるマスを占領するとその罠が消えます。
新個性
戦闘関連、交易関連、偽報関連などの個性が追加されます。
固有戦法
有名武将は固有戦法を持っているのですが、パワーアップキットではその対象が増えます。
相場
無印版では、米の売買で大金を稼ぐことができたのですが、パワーアップキットでは、買取相場と売却相場に差があるため、利益を出しにくくなりました。
同盟延長
同盟が切れる前に延長することができます。
捕虜に離間の計
捕虜に対しても離間の計を使えるようになります。無印版では、捕虜の忠誠が下がるのに時間がかかったため、その前に脱走されてしまうことが多かったのですが、パワーアップキットでは、プレイヤーが能動的に捕虜の忠誠を下げることができます。
集団編成・集団移動
集団を編成し、集団で移動できます。部隊攻撃集団、城攻め集団、名声集団を作っておくと、いちいち武将を探す手間がなくなります。
自動探索
探索する武将を自動で選択する機能が追加されました。武将を選択する作業が自動になるだけで、自動で探索してくれる訳ではありません。誤解を生む用語です。
国替機能
シナリオ開始時の勢力配置をシャッフルできます。特定の勢力で特定の地の利を利用したい場合などに便利です。
新シナリオ
「二袁の思惑」「赤壁の戦い」「関羽包囲網」「遼東征討」が追加されます。正直、代わり映えのしない年代ばかりです。
早期購入特典シナリオ
早期購入特典として、「蜀漢の滅亡」が無料でダウンロードできます。無印版の時の早期購入特典である「夷陵の戦い」も、Switch版には付いてきます。
年表
ゲーム開始からの勢力変化が年表として記録されます。
戦記制覇
特定の地域を制限年月の間に制覇するキャンペーンモードです。戦記制覇だけのイベントも用意されています。
イベント編集
イベント編集という名前が付けられていますが、既存のイベントを編集するのではなく、新規のイベントを作成する機能です。ただし、登録武将はイベントに使えません。作成したイベントを他のプレイヤーに配布する機能はありません。
ダウンロードコンテンツ
三國志14パワーアップキットでも大量の有料ダウンロードコンテンツが配信されます。無印版でシーズンパスを買った方も、シーズンパス2を新たに買い足す必要があります。

パワーアップキットの批評と評価

越後谷プロデューサーは以前、「パワーアップキットを出すときはこれまでと違い、まったく遊び方が変わるようなエキスパンション的な内容にしていきたい」と語ったのですが、遊び方が変わったのは「地の利」「水上戦」「戦記制覇」の3点です。その他はアレンジ程度です。

交易と異民族がパワーアップキットの目玉なのですが、正直、地の利の条件が要りません。どの勢力でもユーラシア諸外国と異民族の中から1つと外交できる、という設定だったら、各勢力で色々な攻略方法が生まれたのでしょうが、現状だと、特定の勢力が特定の諸外国と紐付けされているため、パワーアップキットの特徴を楽しめる勢力がかなり限定されます。国替で配置を替えると、歴史イベントや在野武将にまで影響してしまうので、これはこれで歴史物としては台無しです。

水上戦を変えたのが、奔流と鉄索の存在です。孫権と劉表の河川防衛が強化され、南部の特徴が表現できたと思います。ただ、現状の奔流はほぼ孫権用の配置のため、そこが残念です。荊州や黄河に奔流を加えたり、蒙衝で北海・襄平間を移動できれば、攻略方法が今より増えたと思います。

パワーアップキットに大きな変化を感じられない理由が、交易も異民族も水上戦も、楽しめる勢力が限定される上に、内容が薄いことです。交易や異民族外交の場合なら、武将を1年間留学させて育成するとか、留学先によってマイナス個性が消える可能性があるとか、そこで嫁をもらうイベントが発生するとか、商人よりも高レートで物々交換できるとか、長期間にわたって何度も交流する楽しみ方もあったはずです。

新たに追加されたシナリオも、正直、前後の年代と代わり映えがしません。もっと大胆な勢力配置の仮想シナリオでも追加されたら、交易などの追加要素をもっと楽しめたと思います。この点も、有料DLCを売りたい意思が透けて見えて、興ざめです。

こうなると、残された戦記制覇に期待がかかるのですが、これも方向性がおかしいです。戦記制覇には戦記制覇用のイベントが多数用意されているのですが、はっきり言って、スコアを競うゲーム性と合っていません。本編の方にイベントを追加し、戦記制覇は純粋にスコアを追求した方が良かったと思います。しかも、他のプレイヤーのハイスコアを見ることができないという謎仕様です。戦記制覇のシナリオ10本中5本を有料DLCとして配信するところが、三國志14らしさを物語っています。

この他では、新たなイベントを作成できる機能が特徴的ですが、新武将はイベントに関与できなかったり(アップデートで修正)、作成した新武将やイベントを他のプレイヤーと共有することができなかったり、やることが一々不完全です。しかも、史実武将編集は有料DLCです。

内容が薄いと感じるのも当然です。アップデートとパワーアップキットで完結できた内容を、シーズンパス1と2とパワーアップキットに分割しているのですから。結局のところ、物足りない完成度にして、DLCを売りたいのでしょうね。全部買ったら2万5000円を超えるのですから、この売り方がSteamで酷評されるのも当然です。

Steamのコメントには、不買宣言がいくつもあります。私も、この売り方に反対する意思表示として、ダウンロードコンテンツは買わないことをここに宣言します。無条件で買い支えるのは止めます。

無印版を持っていない方なら、三國志14 with パワーアップキットを購入するのも悪くないと思いますが、無印版を持っている方なら、パワーアップキットはいらないと思います。無印版でも十分に楽しめます。シーズンパスもいりません。

暇だという方には、RimWorldをおすすめします。三國志14よりも自由な建設ができて、三國志14よりも戦略が奥深く、三國志14よりも刺激的なイベントが発生し、三國志14以上の高難易度も可能で、三國志14以上の様々なカスタマイズに無料で対応し、三國志14と違ってMODに協力的で、三國志14のシーズンパスよりも安い値段です。日本人にだけ値段を吹っ掛けるようなこともしていません。

追記
PKアップデートで、いくつかの機能と仮想シナリオが追加されました。評価を改めるほどの内容ではありませんが、割高感は多少薄まったと思います。

- おすすめ度 -
   三國志14PK ★★★☆☆
三國志14 with PK ★★★★☆
 シーズンパス2 ★☆☆☆☆
    RimWorld ★★★★★

Steam日本米国価格比
三國志1410780円$59.99
約6240円
173%
シーズンパス14950円$29.99
約3120円
159%
三國志14PK6380円$34.99
約3650円
175%
シーズンパス24950円$29.99
約3120円
159%
三國志14合計27060円$154.96
約16130円
168%
三國志139324円$59.99
約6240円
149%
三國志13全DLC3628円$33.89
約3520円
103%
三國志13PK6380円$34.99
約3650円
175%
三國志13合計19332円$128.87
約13400円
144%
DEATH STRANDING7590円$59.99
約6240円
122%
Cyberpunk 20778778円$59.99
約6240円
141%
RimWorld3600円$34.99
約3640円
99%
Fae Tactics2050円$19.99
約2080円
99%
Disgaea 54055円$39.99
約4160円
97%

Steamの定価を表にしました。コーエーは毎回日本だけ高く売っていますが、三國志14はさらに酷いです。表に載せませんでしたが、韓国と台湾は米国と同程度で、中国は米国よりもさらに安いです。

これを見ると、日本人も平等に扱ってくれる会社ほど応援したくなりますよね。セールを利用すれば、三國志14パワーアップキットの金額で名作が数本買えます。

パワーアップキットが酷評されるに至った経緯

Steamの三國志14パワーアップキットが酷評されています。これまでの経緯をご存じない方のために、ここで解説します。

まず、無印版発売前に越後谷プロデューサーが「パワーアップキットの内容をDLCで出す」と発表し、それならばと皆がDLCを購入し、普段はPK待ちをする方も無印版から買いました。無印版でも十分に遊べる内容だったため、ファンからも好評で、売上も良かったようです。

さらに「パワーアップキットを出すならエキスパンション的な内容」とも発表されたので、ファンは期待してPKを待ったのですが、いざPKが発売されると、エキスパンションどころかいつものパワーアップキットで、しかも大量のDLCの分だけ内容が薄くなっていました。

要するに、パワーアップキットの内容の一部が無印版の時にプレイできたため、無印版の評価が上がり、その分だけパワーアップキットの内容が薄くなったため、パワーアップキットの評価が下がったということです。これだけならプラスマイナスゼロになるのでしょうが、大量のDLCで総額がいつもより1万円も高くなるため、圧倒的な酷評になりました。